ギリシャ語で海を意味する “タラッサ（thalassa）”に由来するタラソテラピーは、海水・海藻・海泥などを利用し、わたしたちの健康と幸福度の向上を目指す治療です。ヨーロッパが発祥ですが、過去には戦いの後に兵士が疲労や傷ついた体を回復させるために、温めた海水を使用したことも報告されています。
そこで今回の記事では、ボディへのタラソテラピーの効果についてご紹介します。
ボディに対するタラソテラピーによって得られる効果
まずボディに対してタラソテラピーを行うことで得られる効果について、いくつかご紹介しましょう。
造血機能や免疫力を向上させる
ボディに対するタラソテラピーは、全身を刺激するものです。その結果、造血（血球生産）機能や免疫力を高められます。造血機能が向上すると、赤白血球増加します。赤血球の増加は、とくに女性では貧血の改善につながり、日常生活におけるエネルギーの向上を期待できるでしょう。
免疫力が向上すると、感染症にかかりにくくなり、かかったとしても早く改善するようになります。
関節の痛みを和らげる
タラソテラピーでは、古くから関節の痛みを和らげたり、関節機能の改善や体の動きを活発したりすることを目的に行われていました。さらに怪我の予防の効果も期待されています。
たとえば変形性関節症（非炎症性関節疾患）では、膝関節や股関節に痛みが生じますが、タラソテラピーでは、この痛みを大幅に軽減させられます。首の痛みに対するタラソテラピーも、痛みの軽減や関節の可動性の改善、リラクゼーションと気分を高めることにも貢献しているのです。
筋肉の疲労、コリ、痛みの改善
線維筋痛症という筋肉の痛みが生じる患者に対し、タラソテラピーを行ったところ、定期的なケアが筋肉痛や疲労の減少につながりました。この他にも、海水中で有酸素運動を行ったところ、筋肉痛が改善されました。さらに温かい海水は筋肉の緊張を改善し、痛みの強さも軽減させることができたのです。
深層水による治療は、筋肉疲労の減少と筋肉損傷の回復時間の短縮に有効であることも明らかになっています。
タラソテラピーは血液の酸素化を高めることで、筋肉の柔軟性と可動性を向上できるといわれています。血行を促進する作用があるため、筋肉の緊張を和らげたり、酸素や栄養素を体内に補給したりする効果も期待できるでしょう。
睡眠の質を改善させる
ボディに対するタラソテラピーは、睡眠の質の改善にも役立つ可能性が高いです。これはタラソテラピーによって得られるリラックス作用と、精神の安定作用が影響していると考えられています。
以下のような、睡眠に関連する症状に効果が得られることがわかっています。
- 日中の眠気の減少
- 気分と認知機能の向上
- 怒りが収まる
- 寝付きが良くなる
- 不安神経症や睡眠障害の症状の改善
ボディへのタラソテラピーの種類
タラソテラピーには以下の種類があります。
- 海水に浸かるハイドロテラピー（海水治療法）
- 海辺の空気を吸うアエロゾロテラピー（気候療法）
- 海辺の気候に触れるヘリオテラピー（日光療法）
- 海水中や温水プール内で運動などに取り組むマソ・キネジテラピー（運動・マッサージ療法）
- メカノテラピー（機械療法）
- 海の砂を用いるブザマトテラピー（海砂療法）
- 温めた海水を利用するバルネオテラピー（温泉療法）
これらの治療法のどれもが、ボディへのタラソテラピーとして利用できるものです。世界的には主に海洋性気候の地域で、海辺を中心に行われており、浴槽やプールに海水を汲み上げて利用しています。
ここからは海辺でなくても受けることができる、ボディへのタラソテラピーをいくつかご紹介します。
ファンゴテラピー：海泥療法
海の泥を、ボディに塗ってパックします。ファンゴセラピーは泥を熱水で温めることから、温熱療法の分類です。
温かい泥は、通常背中に塗布されますが、関節など他の場所にも局所的に使用できます。ファンゴを塗布した後は、熱水での入浴を行います。
アルゴテラピー：海藻療法
海藻をパウダー状にしたものに、温めた海水を加えてペースト状にしたものをボディに塗りパックします。
海藻に高濃度で含まれるミネラルや微量元素、ヨウ素を体内に取り込むことで得られる効果と、温かいペーストによってボディが温められることで、相乗効果が得られます。アルゴテラピー終了後は温かいシャワーを浴び、パックを流しましょう。
まとめ
今回の記事では、ボディへのタラソテラピーの効果や種類についてご紹介しました。痛みや睡眠の改善、免疫力の向上が期待できます。この記事を読んでタラソテラピーに興味をもった方もいらっしゃるのでしょう。
「Detox Salon Kunico」でもボディへのタラソテラピーにも取り組んでいます。ぜひこの魅力的なタラソテラピーを経験して、健康な体を手に入れてくださいね。
